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相続放棄の相談事例

未成年者の相続放棄手続きと親権者変更の申立てについて

北海道 R.S様

先日母が亡くなったのですが、母には借金が約100万円ほどあると聞いていました。そこで相続放棄の手続きをしたいのですが、私は現在18歳で未成年なので自分で手続きできません。
どうすれば相続放棄の手続きができますか?

ご相談内容

R様のお母様が他界。
お母様は婚姻歴が2度あり、いずれも離婚されておりました。
R様はお母様に引き取られ、賃貸でご一緒に生活をされていましたが1年ほど前よりお母様の体調が悪くなり入院、そのまま病院でお亡くなりになられました。R様はお母様より約100万円ほど借金があることを聞かされており、相続放棄のお手続きを進めるために当センターへご相談に来られました。
R様には異父兄弟のお姉様がおられ、お姉様とご一緒に相続放棄の手続きを進めたいとのご意向でした。
お母様が亡くなられてからすでに2か月余り経過しており、慌てた様子でご相談をいただきました。

相続放棄相談センターへ相談された結果

ここで問題となってくるのはR様が未成年者であることです。未成年者の場合、一人で相続するか否かを判断できないため、通常は親権者が法定代理人として手続きを行うことになります。しかしながら、R様の親権者はお母様であったため、そのお母様が亡くなられたことにより、代理人として手続きを行える人物がいらっしゃいませんでした。

通常、相続放棄の手続きは、「相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」(熟慮期間中)に申立てを行わなければなりません。そのため、R様は申し立ての期限が迫っていることに大変ご不安になられていました。

しかしながら、相続人が未成年者だった場合、3か月の熟慮期間の起算点は、親権者(または未成年後見人)が未成年者のために相続の開始があったことを知ったときからとなるため、期限については心配いただく必要はなく、ご安心いただけるようご説明差し上げました。

民法917条
相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、民法915条第1項の期間(相続の承認または放棄をすべき期間)は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。

そこで私どもは、以下2つのどちらかを行いR様の相続放棄手続きを進めてはどうかとご提案させていただきました。


1.家庭裁判所に未成年後見人を選任してもらい、後見人に相続放棄の手続きをしてもらう
…お姉様に後見人候補者となってもらい、家庭裁判所がお姉様を後見人に選任した後に、法定代理人として相続放棄の申立てを行う。
2.家庭裁判所に親権者変更の申立てを行い、親権者変更後相続放棄の手続きをしてもらう
お父様に親権者変更の申立てを行ってもらい、審判確定後、市役所にて戸籍の変更を行い法定代理人(親権者)として相続放棄の申立てを行う。

ご提案の結果、2の親権者変更の手続きを行い、相続放棄を行うこととなり時間はかかりましたが、無事にR様の相続放棄が受理されることとなりました。


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